2025年2月15日土曜日

Eutrichosiphum nigrisiphon? 2024年12月24日上郡町

 2024年12月24日に採集したアブラムシです。

寄主植物:マテバシイ

寄生部位:ひこばえ上部

■マテバシイ寄生のアブラムシ

「Blackman & Eastop's Aphids on the World's Plants」に掲載があります。


 ダイスケさんからは、マテバシイ寄生のアブラムシに関する論文もいただいております。

 この文献です➡https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201102245847123110


今回の種について

液浸標本個体

マテバシイ上の個体①

マテバシイ上の個体②

マテバシイ上の個体③

採集した有翅成虫

■標本

検鏡難しそうなので、多めの個体で標本にしました。

マテバシイケクダアブラムシよりは、角状管は短めですが、ただ、短いかというと微妙なところです。

ダイスケさんからの文献にEutrichosiphum nigrisiphonというアブラムシの記載があり、そのアブラムシの特徴が記載されています。その特徴と本種の特徴において、合致する点が多いので、Eutrichosiphum nigrisiphonの可能性が高いと思います。





















2025年2月13日木曜日

ワタアブラムシ 2025年2月13日

2025年2月13日:帰り道にヒペリカムの植込みでアブラムシのサンプリングしました。

「Blackman & Eastop's Aphids on the World's Plants」では、ヒペリカム寄生のアブラムシとして、ワタアブラムシ・モモアカアブラムシを上げていました。そのうち、ワタアブラムシではと思い、ワタアブラムシと仮定して調べてみました。

アブラムシの属別識別」によると、「無翅成虫は通常中型で、黒っぽい緑色または明るい緑色のまだら模様の濃い緑色。暑い環境または混雑しているときは小さくなり、これらの矮小型は非常に薄い白っぽい黄色。背側には暗い硬化模様はない。第3触角節の最長毛は、その節の基部直径の 0.3~ 0.5 倍。最後の触角節の末端突起は、その節の基部の長さの1.7~3.2 倍。吻の先端節は、後肢の足根の第 2 節の1.1~1.5 倍の長さ。縁の結節は、常に腹部の1 番目と 7 番目の背板にのみ存在。嘴節は尾節の 1.3~2.5 倍の長さ。尾節の色は淡い色から暗褐色、そして非常に濃い色まで様々ですが、通常は嘴節よりも淡く、4~8 本の毛があります」とのことでした。

ヒペリカムHypericum chinense寄生のアブラムシの中・「アブラムシの属別識別」による記述より、ワタアブラムシの可能性が高いと思います。


有翅成虫になりかけ個体と幼虫


以下、標本写真

2025年2月9日日曜日

ジャガイモヒゲナガの可能性が高いと思う 2025年2月9日

 2025年2月9日:ノボロギクSenecio vulgarisにいたアブラムシです。

始め、幼虫かなと思ったのですが、生殖版が確認できたので、成虫だろうと思います。

背面
腹面

Blackman & Eastop's Aphids on the World's Plants」にノボロギク寄生のアブラムシリストがありました。


 それに掲載されているアブラムシとこちらのサイトの解説と照らし合わせながら同定してみました。

以下、標本写真です

 触角がうまく撮影できなかったのですが、触角は各節の先端部が黒化していました。





寄主植物:ノボロギクです




  文献

2025年2月8日土曜日

ウバメガシアブラムシの様子

 2025年2月8日、大分日が空きましたので、見てきました。

 とくに風貌は変わりませんが、ウバメガシの中のほうに集まってるような気がします

 外側にはあまりいませんでした。




2025年2月2日日曜日

ユリノキヒゲナガアブラムシ経過観察

 一番古い観察から新しい観察記録までまとめています。

観察するたびに、更新していこうと考えています。

2024年12月16日:ユリノキの冬芽で越冬する成幼虫を発見。この発見は、最初に発見した後輩に案内してもらった。サンプリングして持ち帰り、しばらく生体の状態で置いていたところ、1匹が出産していた。

 ダイスケ(@enyumorihiro)さんによれば、「既報では本種は冬芽で卵越冬(Sugimoto, 1999)、すなわち完全生活環型のはずだ。したがって、この時期に胎生雌がいるのは興味深い。もしかすると、わずかに胎生雌で越冬する個体群、すなわち不完全生活環型がいるのかもしれない。」とのことだった。






2024年12月19日:この日も集団越冬している様子が確認できた。観察日数の間隔が短いのは、いつ見られなくなるか分からなかったためである。
 この日は、死骸も1個体確認できた。死因としては、寒さか、冬芽から吸汁できなかったことによる餓死かどちらかかもしれない。







1月27日:ダイスケ(@enyumorihiro)さんが2月に兵庫県に観察に来られるとのことなので、その前になるべくこちらで調べておくということと、単に今まで時間が無くて、観察間隔が空いてしまっていたことがあったので、観察した。
 この日は、生体の確認はできなかったが、集団で集まった個体が、死んでしまっているのを確認。死因は、前述と同様に、寒さか、冬芽から吸汁できなかったことによる餓死かどちらかであると考えられる。





 最後に、ユリノキの写真も載せておきます。




 生態などについては、下記のリンクからご覧いただけます。

2025年1月25日土曜日

ワタアブラムシAphis gossypii

✔黒っぽい緑色または明るい緑色のまだら模様の濃い緑色です。

✔暑い環境または混雑しているときは小さくなり、これらの矮小型は非常に薄い白っぽい黄色になります。

✔背側には暗い硬化模様はありません。

✔第 3 触角節の最長毛は、その節の基部直径の0.3~0.5 倍です。

✔最後の触角節の末端突起は、その節の基部の長さの1.7~3.2 倍です。

ワタアブラムシは熱帯地方でも、ヨーロッパのほとんどの地域でも有性生殖期がありません。主な宿主は不明ですが、南フランスでは有性生殖が行われている可能性があります。宿主の交代と有性生殖期は、東アジアの一部と北アメリカでより頻繁に発生します。

生体写真

エタノール処理後

                   ■文献

https://influentialpoints.com/Gallery/Aphis_gossypii_melon_or_cotton_aphid.htm


https://mushinavi.com/navi-insect/data-abura_wata.htm#google_vignette

2025年1月24日金曜日

アズキナシオオアブラムシ Nippolachnus micromeli Shinji, 1924

  ナシミドリオオアブラムシの記事のところにおいてましたが、ダイスケさんより、寄主植物がシャリンバイではないかとご指摘があり、採集地が姫路市の駅前だったことから、ネットで姫路市が植えている植え込みで調べてみると、シャリンバイでした。

 ナシミドリオオアブラムシは、ビワとナシを寄主転換

 本種は、シャリンバイとアズキナシを寄主転換

 2月以降に孵化


2月23日観察


上2つ:無翅虫:兵庫県姫路市JR姫路駅前16.XI.2024.(シャリンバイ,葉裏)

上2つ:有翅成虫:兵庫県姫路市JR姫路駅前16.XI.2024.(シャリンバイ,葉裏)


上2つ:卵:兵庫県姫路市JR姫路駅前16.XI.2024.(シャリンバイ,葉裏)

2025年2月16日:ほぼすべて孵化し、成長中


2025年1月21日火曜日

ナシミドリオオアブラムシ Nippolachnus piri

近年、長らく本種と混同されていたものが別種(アズキナシオオアブラムシNippolachnus micromeli Shinji, 1924)として記載されたので、再度掲載する。

N. micromeliはシャリンバイとアズキナシ、N. piriはビワとナシを寄主転換する。


              <以下はN. piriの解説>

体長    無翅胎生♀:約3mm

      有翅胎生♀:約4mm


分布    本州,他不明


出現期   5~7,9~11月


餌     一次寄主:ビワ

    二次寄主:ナシ,ナナカマド

     卵で越冬する。


緑色の大型のアブラムシ。濃淡のある緑色で、触角は短く、後脚は長い。有翅型は、体色が全く異なり、茶褐色で腹部に明瞭な白色部(ロウ質白粉)がある。

ビワの葉裏にて