このブログについて

2025年3月9日日曜日

昆虫標本データを公開しました

 2022年から始めたカメムシ調査で数多くの標本が集まりました。

いろいろな利活用を図ってみたいと思いまして、標本のデータを一部公開することにしました。

標本データの公開には個人収蔵.comを用いました。



そして、一定の条件をご理解いただける方に限定して、

(基本的に調査・研究などの目的の方に)


・データベースに標本写真を追加

・標本の詳細データを提供

などの対応を行っていきたいと考えています。なお、この虫が見たいなど、趣味の一環での要求は、お断りさせていただきます。予めご了承ください。


 また、標本の譲渡もお断りします


データなど提供の条件

原則として以下に示す条件を守っていただける方に提供したいと思っています。


・利用目的は主に「調査・研究」であること

・利用して実施した研究などの成果を共有

・所蔵者は把握できるようにしたい

・昆虫研究に携わっている



標本データの確認方法と形式


個人収蔵.comでは、データの閲覧のみであればアカウント作成を行う必要はありません。


データベースの検索条件を指定する際、「所蔵者」の欄に「116758198522331155375」を入力して検索すると、私が登録したデータが表示されます。


今2025年3月9日現在は少ないですが、増やしていきます















科名の絞り込みはできないため、特定のグループのデータだけ見たい場合は和名や学名を使って分類群の抽出を行ってみてください。

(あるいは、私に問い合わせてください)

検索結果の例

データの形式はおおむね以下のようにしています。


和名

学名

(命名者表記は省略)

性別(分かったもののみ)

採集地(市区町村まで)

緯度経度:省略(最初のほうにやつは入れてるけど、基本入れない方向で考えている)

採集年月日

採集者:省略(ほぼ私です)

同定者:省略(ほぼ私です)

所蔵者:116758198522331155375

所蔵者Twitter:@Zfynfa9YA953175

画像:基本なしで、要望があれば追加(最初のほうにやつは入れてるけど、基本入れない方向で考えている)

保存法:明記通り(アブラムシは、液浸かプレパラート標本・コナジラミはプレパラート標本)

ライセンス:パブリックドメインですが、省略されたデータであることに注意

コメント:採集方法などに関するコメント


クスベニヒラタカスミカメの例





ホソウメマツオオアリCamponotus bishamon

 2025年3月9日:iNaturalistに投稿したら、ホソウメマツオオアリかウメマツオオアリのどちらか、ホソウメマツオオアリである可能性が高いとコメントいただきまして、「日本産アリ類画像データベース」で調べてみました。

 <ホソウメマツオオアリの特徴>

・前伸腹節背縁は側方から見て直線状かわずかにへこむ程度であること

・腹柄節の前縁と後縁の直線部の長さが後縁のほうがより長いこと


また、ウメマツオオアリの説明にあった「前胸は褐色がかる場合が多い。前伸腹節背縁に明瞭なへこみを持つ。腹柄節は厚く,側方から見て前後に対称な逆U字型を示す。」に当てはまらなかったことから、ホソウメマツオオアリで同定しました。

標本写真:2025年3月7日兵庫県赤穂市採集 女王

石の下のコロニー:女王アリが多かったですが、もうすぐ結構飛行?


 ■文献
・日本産アリ類画像データベース:http://ant.miyakyo-u.ac.jp/J/Taxo/F80920.html

2025年3月7日金曜日

オオズアリ Pheidole noda

2025年3月7日:石起こし採集でコロニーが出てきました。

Twitter・オープンチャットのほうで確認してみたところ、オオズアリで一致したのと、「日本産アリ類画像データベース」でも確認しました。

最初、ヒアリかと一瞬思ってしまいましたが、違っていて安心です。そういえば、Twitterで、ヒアリはあんまり見ないとかなんとかあった気が・・・

ワーカー:4㎜

兵アリ:6㎜

発見地



イヌツゲクビレコナジラミ Aleuroclava hikosanensis (Takahashi, 1938)

 全体の形が特徴的で、上の方に『怒り目』模様があります。

周年イヌツゲ・ソヨゴ・ヒサカキ・エゴノキなど様々な植物の葉裏で見られます。


生体時

2025年3月7日兵庫県赤穂市ヒサカキ
 2025年3月7日兵庫県赤穂市ヒサカキ
ソヨゴ
  上郡町 エゴノキ

寄主植物(自分の観察から)

イヌツゲクビレコナジラミ2024/7/4兵庫県立大学附属高等学校周辺エゴノキ Styrax japonica
2024/7/5兵庫県立大学附属高等学校周辺エゴノキ Styrax japonica
2024/10/18兵庫県赤穂市雄鷹台山真心乃滝イヌツゲ Ilex crenata
2025/3/6兵庫県立大学播磨理学キャンパス付近イヌツゲ Ilex crenata
2025/1/4兵庫県赤穂市雄鷹台山真心乃滝Eurya sp. ヒサカキ属の一種
2025/3/7兵庫県赤穂市雄鷹台山Eurya sp. ヒサカキ属の一種

寄主植物(コナジラミ写真集より)

Aquifoliaceae モチノキ科Ilex crenata イヌツゲ 
Ilex pedunculosa ソヨゴ 
Buxaceae ツゲ科Buxus microphylla ヒメツゲ 
Ericaceae ツヅジ科Pieris japonica アセビ
Lauraceae クスノキ科Cinnamomum sp. ニッケイ属の一種 
Myricaceae ヤマモモ科Myrica sp. ヤマモモの一種
Pittosporaceae トベラ科Pittosporum tobira トベラ
Styracaceae エゴノキ科Styrax japonica エゴノキ
Theaceae ツバキ科Eurya sp. ヒサカキ属の一種



標本写真




アオキコナジラミ Aleuroclava aucubae (Kuwana, 1911)

  アオキコナジラミAleuroclava aucubaeは、極めて広食性で、様々な寄主植物があります。

 様々な寄主植物があり、最も普通にみられます。

生体(2025年3月7日兵庫県赤穂市雄鷹台山:ヒサカキ)
アオキコナジラミでいいかな

アトジロエダシャク

2025年3月7日:登山道にあった木の手すりにいました。虫ナビ様で同定してきました。


 

2025年3月7日:兵庫県

2025年3月6日木曜日

Indoaleyrodes japonica

 さきほど、@Hepota様からご教授頂きました

「Indoaleyrodes japonica」という種で、一昨日記載されたそうです。

 4月中旬から下旬頃に羽化するとのこと

文献:https://link.springer.com/article/10.1007/s12600-023-01096-5

標本
結構ついているみたいです。

ヒサカキかサカキか・・・たくさんあるので、継続して観察します。




2025年3月5日水曜日

アラカシコムネアブラムシNeothoracaphis glaucae

アラカシの葉裏で1匹採集しました。最近、アラカシのNeothoracaphisは再検討されて、サラマオコムネアブラムシN. saramaoensisはアラカシコムネアブラムシN. glaucaeに統合されたようとお聞きしたので、これで良いのかなと思います。



 

シラカシムネアブラムシ 2025年3月5日小雨

 2025年3月5日:小雨でしたが、バス待ち暇なので、アラカシのシラカシムネアブラムシを観察しました。

 少し隠れ気味の葉の表に大きなコロニーが点々とありました。

葉が白く粉を吹いています




大丈夫なのか・・・・



2025年3月3日月曜日

Aleuroclava sp. (トベラ)

 以前、トベラにいたコナジラミを再度検鏡してみました。

 以前はナチグロかなと思ってましたが、コナジラミ写真集を見たところ、ナチグロではないように思われます。また、アオキコナジラミにしては丸く、腹節付近が違ってるようです。

ここにある種である可能性が極めて高いと思います:https://tamagaro.net/whitefly/a08.html


採集情報・色々

アオキコナジラミとの違いナチグロコナジラミとの違いコナジラミ写真集のAleuroclava sp. (トベラ)
と思った根拠
第3腹節の横にも突起があり
頭部先端が丸い
胸部横の突起の形が違う掲載されていた標本写真との一致
寄主植物が同じくトベラ
採集日採集地寄主植物
2024/7/1兵庫県赤穂市雄鷹台山山頂トベラ Pittosporum tobira