カメムシ情報提供
・論文が出版されました。マメ科の帰化植物エニシダに寄生する外来アブラムシの一種Ctenocallis setosaを日本から新たに記録し、和名をエニシダトゲマダラアブラムシと命名しています。小口明秀さんとの共著です。論文はオープンアクセスとなっています。 本種はヨーロッパ原産ですが、北米への侵入が確認されていました。アジアに侵入したのは今回が初めての記録で、国内では北海道と山梨県から見つかっています。主に葉表や茎の凹んだ部分に寄生します。無翅胎生雌成虫は背中に複数のトゲを有し、これが和名の由来です。 北海道では有性世代卵生雌と有翅雄の発生と、交尾、産卵が確認され、卵越冬することが確認できました。エニシダはかつて緑化用途で盛んに使用されたようで、全国に広く分布しているため、このアブラムシの分布もより広範囲に分布する可能性があります。 この報告で日本で記録のある外来アブラムシは36種となりましたが、まだ未報告のものが多数残されています。今後も新たな外来種の侵入に警戒するとともに、侵入した種のできるだけ早い報告につとめてまいります。 https://mapress.com/jib/article/view/2025.63.2.3
・先月のアブラムシ調査において新たな外来種Illinoia goldamaryaeが高知県から発見されました。他地域にも生息すると思われますが、遠方ゆえ私の力だけでは追加の調査を実施するのが困難ですので、皆様のご協力を賜りたく、解説資料を作成しました。似た種を見つけた方は情報いただけますと幸いです!:https://x.com/enyumorihiro/status/1904898684703441328
・韓国からトドマツオオアブラムシCinara todocolaから初めて記録されたようです。本種の未記載モルフである幹母、卵生雌、雄も初めて記載され、生活環の全体が初めて報告されています。論文はこちら⇒https://www.nature.com/articles/s41598-025-91072-2
・高山帯で生きる鳥類が繁殖初期に利用する主要な餌が、山麓の森林で発生し、風や飛行によって高山帯に運ばれるアブラムシであることを解明しました。高山帯と周囲の森林は密接に繋がっているようです。
・コケに寄生するマルグンバイ属を種多様性の解明度が低い北海道を中心に調査し、1新種と1日本新記録種を発見しました!新種クシロマルグンバイは道東、日本新記録種ヤチマルグンバイは道北と利尻島で得られています!日本産本属は10種です!論文はオープンアクセスです!論文はこちら⇒https://zookeys.pensoft.net/article/142344/
・コルクガシミツアブラムシに関して:https://x.com/enyumorihiro/status/1673980193495719942
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